
コロイドヨード療法に使用されるコロイドヨードとはどのようなものなのでしょうか?
ご存じの方は少ないと思います。
コロイドヨード療法は、日本においてはまだまだ認知度が低いため、コロイドヨードがどんなものか知らないのは当然のことでしょう。
しかし、治療の際には実際に体内に入るものです。
どのようなものか全く知らないというのは不安の原因になる可能性があります。
そこで、まず「コロイドヨードとは何なのか」簡単に説明いたします。
コロイドヨードとはコロイド化したヨードのことなので、
①コロイド
②ヨード
③なぜコロイド化するのか
に分けて説明をします。
コロイド化とは?
2種類の物質が混じりあう際に、一方が分子より大きい微細粒子(1~100nm)となりもう一方の物質に均一に混じり分散している状態で、この状態の気体・液体を分散体と言います。
液体の分散体をコロイド溶液と言います。
この、コロイド溶液は特別なものではなく私たちの身の回りにも多くあります。
例えば、
・牛乳 : 水分に乳脂肪分、タンパク質、カルシウムなどが溶けたコロイド溶液。
・墨汁 : 水分に煤や膠が溶けたコロイド溶液。
そして、
・コロイドヨード : 水分にヨウ素が溶けたコロイド溶液。
と言うことです。
ヨードとは?
ヨードとは原子番号53番、元素記号Iのヨウ素のことです。
ヨウ素は人間の体に無くてはならないミネラルです。
通常ヨウ素は甲状腺から分泌され体全体の新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンの主成分となっています。
ヨウ素は消毒薬としてもよく用いられヨードチンキ、イソジンもヨウ素が主原料です。
ヨードは地球上のどこにでもあるものではなく、主に海底埋積物に含まれていて、海水・海藻に含有されています。
チリ・日本が主な産地です。・・世界中どこでも採れるものではありません。
注意:過剰に摂取するとパセドウ病、橋本病など甲状腺の病気になりやすくなってしまう危険があります。
なぜヨードをコロイド化するのか?
なぜヨウ素をコロイド化する必要があるのでしょうか?
ヨウ素ははそのままでは毒性があり体に取り入れることができないのです。
このため主に殺菌作用に利用されていました。・・・ヨードチンキ、イソジンetc.
しかし、
「水素と結合させコロイド化することで毒性を無くし細胞が利用できる」
ようにしたのがコロイドヨードなのです。
コロイド化して体内に取り込めるようにしたことで、内服、点滴、注射などが可能となり様々な治療に使用できるようになったのです。